ドクターとお話

 当院院長が、健康や医学・医療について「質問と回答」いう形で判りやすく解説いたします。

 診療中に、よく伺うご質問を選び「TOPIC」とし順次、増加していきます。

 皆様方のご参考になることを願っております。ご覧いただくようお願い申し上げます。 


ビタミンC とは

ビタミンC の、生理作用、不足する原因・起きる症状、消化・吸収・代謝について

ビタミンC は、身体のどこに貯蔵されるのか 摂取量 など

 

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Q: 「ビタミンC」は、日常的によく耳にします。

そもそも ビタミンC とはどういうものなのでしょうか?

先生は、ビタミンC を治療にも用いた長い経験をお持ちとうかがっていますが・・・ 

 

A: おっしゃるとおり、「ビタミンC」は、正確にはよく知られていないところがあります。

少し長い説明になりますが、ここでは、できるだけわかりやすく説明します。 

「ビタミンC」は、人間にとって必要不可欠で、多くの生理作用を持つことで知られていますが、まだまだ誤解があるようです。

 例えば、

・ ビタミンC は皮膚や骨に良いがその他の働きについてはわからない

・ ビタミンC は水溶性なので余剰分は体外に排出されてしまうので多く摂っても無駄になる

・ 多く摂ると腎結石ができる

・ ビタミンなので少量で十分に作用する

 などです。

しかし、ビタミンC はまだ研究され尽くしていないビタミンです。

ビタミンC の大量投与の研究が始められたのは今から約40年前、ノーベル賞を受賞した科学者ライナス・ポーリング博士以降です。

それまで ビタミンC は、他のビタミン同様「少量で十分」という認識がされていたため、大量に投与した場合どのような効果があるのか全く注目されませんでした。

また、最近は天然型の ビタミンC が出来てきましたが、ビタミンC の基礎研究で使用されてきたのは化学合成の ビタミンC でした。

このように、現在「ビタミンC の常識」とされていることには、大量摂取の概念がなく、化学合成されたもので研究・実験をした結果得られたものが多いのです。

 現在、新たな概念による ビタミンC 研究が進むにつれ、ビタミンC の多様な働きがますます解明されるようになりました。  

 

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Q: それでは、正確に教えていただけますか? 

 

A: まず ビタミンC の、生理作用や、不足した時に起きる症状、ビタミンC が不足する原因を整理してみましょう。 

 

<ビタミンC の主な生理作用>  

・抗酸化作用・活性酸素除去作用

・コラーゲン合成作用

・脂質代謝に関与

・神経伝達物質生成作用

・抗ストレス作用

・善玉コレステロールの作成

・ マクロファージを刺激し

   インターフェロンを出す

・免疫増強作用

・鉄の吸収を助け貧血を改善する

・疲労回復作用

・血糖低下作用

・血圧降下作用

・抗動脈硬化作用

・抗腫瘍作用

・解毒作用抗酸化作用 

 

<ビタミンC の不足によっておこる症状>  

・出血しやすくなる(歯茎、鼻血、血尿、皮膚に紫斑や点状出血)。 

・疲れやすくなる・やる気がでない・眠れない・肌が荒れる

・風邪をひきやすい 等 

  

さらに、ビタミンCを含まない食事を3~6ヶ月続けた場合、壊血病(身体の各部からの出血、関節痛、疲労感など)になり死に至る可能性がありますが、現代の食環境や生活環境では、ここまで ビタミンC が不足することはありえません。

しかし不足によって死の危険性があるビタミンはC だけであり、このことからも ビタミンC はそれだけ人間にとって必要であると言えます。  

    

<ビタミンC が不足する原因>

・摂取不足(食生活に問題がある)

・喫煙 (たばこ1本でビタミンCを25mg消費する)。 

・ストレス

・風邪

・炎症

・紫外線

・大気汚染   

 このように、現代は ビタミンC を消費しやすい生活環境といえるでしょう。 

 


ダイエットの「カロリー制限」は危険がいっぱい

ビタミンC をお奨めします

上手に ビタミンC を摂りましょう など 

 

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Q: カロリー制限を中心としたダイエットをしたいのですが、「カロリー制限は問題が多い」と聞きました。どういうことでしょうか? 

 

A: 「カロリー制限には危険がいっぱい」です。 

ダイエットについては代謝を高めたり脂肪燃焼を促進させるサプリメントを摂ったり栄養のバランスを考慮したりという方法が注目されるようになり、ひところよりもカロリー制限重視の方法ばかりではなくなってきていますが、やはりダイエットにおいてカロリー制限は不可欠という考えが根強いでしょう。  

カロリー制限を取り入れたダイエットをしている方がよくぶつかる問題には次のようなものがあります。  

・体重が減らない、少し食べただけで増える、水を飲んでも増える。

・リバウンドする。

・イライラする、頭がボーっとする。

・食への執着が異常に高まる。

・疲れやすい。風邪をひきやすい。フラフラする。 

・月経が来なくなる。  

これらはダイエット中には「仕方ない」と思いがちですが、医師の立場からするとかなり危険な徴候です。このままではやせないどころか健康を害しとりかえしのつかないことになってしまいます。仮に体重が減ったとしても美しいとはいえないでしょう。  

 

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Q: それでもカロリー制限をしたいのですが、なにか良い方法はありますか? 

 

A: 「ビタミンC」をすすめます。 

ダイエットでの問題の現れ方はその人の体質やダイエット歴によって異なりますが、もしすべての方に共通する改善策をひとつだけ提案するとしたら、私は ビタミンC 摂取をおすすめします。  

「ビタミンC」は身体の基礎を整えます。 

 

少しダイエットから話はそれますが、私のクリニックにはアレルギー、生活習慣病、悪性腫瘍、肩こり、 腰痛など様々な疾患の方が根治を求めて通院されています。これらの根本治療をする際にも ビタミンC は大きな役割を果たしています。ビタミンC は実に様々な作用があることで知られていますが、代謝の根幹に関与しているため病気が治りやすい体内環境をつくることができるのです。実際 ビタミンC を摂り始めると2週間ぐらいで患者さんの身体に変化が見られ始めます。 むくみが取れて顔や身体がすっきりし、 筋肉の質感が変わり弾力性が出てきます。 患者さんご自身にも「疲れにくくなった」「だるさがとれた」「よく眠れるようになった」などの 実感が出てきます。これまでに約38,000名の患者さんを診療してきましたが、 アトピー性皮膚炎や糖尿病でも ビタミンC を摂取した場合としない場合では摂取したほうが治り方も治る早さも明らかに経過が良いのです。  

    

 脳と身体はビタミンCを大量に必要としています

== ビタミンC は他のビタミンに比べ特殊な存在 == 

多くの生理作用があることで知られている ビタミンC ですが、 まだまだ研究されつくしていない部分も多く、研究が進むに連れさらに多くの作用が明らかになっています。 また大量摂取の必要性も明らかになってきています。「所要量は100ミリグラム」「水溶性で体外に排出されやすいので大量にとっても無駄になる」 「大量にとると結石ができる」などが常識として知られていますが、それは一昔前の常識です。 ビタミンC の大量投与による研究がなされるようになったのは1960年代後半、ノーベル化学賞・平和賞を受賞したライナス・ポーリング博士以降のことです。それまで ビタミンC は他のビタミンと同様「少量で作用する」という概念が強かったため少量を用いての研究しかされていませんでした。 現在、ビタミンC はビタミンとしての作用にとどまらず、大量に摂取して身体に必要な量を補えばその分多様な作用をもたらすことが分かっています。

ビタミンC は、私たちが考えるよりも多く脳と身体が必要としているのです。  

    

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Q: どうすれば上手に ビタミンC を摂れますか? 

 

A: 食事が基本ですがサプリメントも利用しましょう。 

栄養摂取の基本は食事から、と言いたいところですがビタミンC だけは事情が違います。 体内で作ることが出来ない、食品から摂ることが難しい、十分な量が必要、これらのことからサプリメントで効率よく摂取することをおすすめします。 患者さんを見ていても、確かに食事に注意している方は良い状態を保ちやすいのですがサプリメントで十分量摂取した状態にはかないません。

 

ビタミンC を、サプリメントによって摂るポイントは次の2点です  

①食後30分以内に摂取すること

食後と空腹時とでは ビタミンC の吸収率が異なり、食後の方がよく吸収されます  

②複数回にわけて摂取すること

1回の摂取量が増えると吸収率も低下してきます。またある程度の時間で体外に排出されるので分けて摂ることが必要です。  

 

「ダイエットの問題点」 と 「ビタミンC 」 

①体重が減らない、少し食べただけで増える

明らかに代謝が低下しています。がんばってカロリー制限をしても体重が減らないどころかどんどん減りにくい身体になってしまいます。ですから、カロリー制限よりも筋肉を付けて代謝をあげる方法に移行することが必要です。それには動物性の蛋白質を摂ることと運動をして筋肉を付けることが重要ですが、そのときに ビタミンC はコラーゲンの合成をたすけ、筋肉が出来るのをたすけてくれます。  

②イライラする、頭がボーっとする

脳が栄養失調になっている状態です。このままでは食欲のコントロールができないどころか、自律神経失調症になり、うつや情緒不安定もひきおこしかねません。ダイエットにイライラはつき物と思われがちですがけっしてそうではありません。 

ビタミンC は脳下垂体(身体の各臓器の働きをコントロールする器官)や副腎(ストレスをコントロールする器官)や脳で多く存在しています。 それだけ必要としているのです。ビタミンC を十分に摂取することによって脳や自律神経の働きを正常に保つことはダイエットの秘訣です。  

③顔色が悪い、眼の下にクマ、身体がフラフラする 

身体が栄養失調になっている状態です。貧血をひきおこしている可能性もあります。この状態が続くと、体力や免疫力が低下し、ホルモンバランスが崩れ、女性であれば生理が乱れたり来なくなったりする可能性もあります。ここまで身体が栄養失調状態になると、カロリー制限を止めてからもなかなか体調がもどりません。 このような状態に対してやはり ビタミンC は強い味方になってくれます。ビタミンC は鉄の吸収を助け貧血を改善し、免疫力を活性化させてくれます。