
◎ 風邪の効果的な治し方<その1>
風邪(正式には、かぜ症候群)の原因はウイルスがほとんどです。
80~90パーセントはウイルスが原因です。残りは、一般細菌や肺炎マイコプラズマ等です。
発熱して38~38.5度まで体温が上がり、咳が出て、痰が出て下痢、頭痛がする場合、まず病院に行くと解熱剤と抗生物質と咳止めと総合感冒薬を与えられると思います。しかし、風邪にかかる原因は、体力が衰え、免疫力が下がり身体の抵抗力が低下し、ウイルスに負けたためです。
また、体力が衰えたり、免疫が落ちる原因は、胃腸系統(小腸や大腸)の働きが悪くなったためです。
最近の研究では、小腸は消化吸収の機能と免疫の司令塔といわれています。
大腸は病気を起こす主要な部位だと言われています。大腸の腸内細菌の善玉菌が減り、悪玉菌が増加したため、大腸内の食物残渣等が腐敗をしたため、下痢を起こしたり、頭痛の原因を作る場合もあります。
私は患者さんの体温が38~38.5度くらいでしたら、まず解熱剤は使いません。高熱になると自然と体の免疫細胞マクロファージが働いてウイルスを攻撃するインターフェロンを出します。治療の原則はどのような場合でも、胃腸系統の治療から始めていきます。下痢を起こした場合は、胃腸を治すことを重要視し、漢方薬を併用します。漢方薬を用いることがとても効果的です。六君子湯や五苓散を用い下痢を止め、胃腸系統の働きを良くします。のどが痛い場合には、小柴胡湯と桔梗石膏湯を投与します。風邪の引き初めには、柴胡桂枝湯を投与します。抗生物質は2日ほど投与しますが、一般的な総合感冒薬は使いません(その理由は後日書きます)。なぜかというと、体温を下げてしまうと、マクロファージ等からのインターフェロンの働きが低下しウイルスを攻撃できなくなるからです。自然治癒能力を著しく下げるからで、体温が上がったほうが自然と発汗し、すっきりした回復が望めるからです。患者さんの本来持っている自然治癒能力が高まり、より早く、より良い回復が得られます。